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 ▼ vol.31(2/10/00)

 本文(本文については、ウェブページの方が読みやすくなっております)
 From Editor



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        ◇◆◇ メールで学ぶ 起業家のための財務管理 ◇◆◇  
 
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  このメールマガジンは、起業家の視点に立って財務管理の基礎知識を確
 認し、事業運営上の問題を探っていくことを目指したものです。

  キャッシュフローの5回目です。今回は、財務キャッシュフローについて
 見てみましょう。
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■財務の基礎知識
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 (Q) キャッシュフローとは?
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 (A) キャッシュフローとは、事業活動の結果、資金がどのようにどれだけ
    増えたかを指す。
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 【解説】5/6

  ここまで営業キャッシュフローと投資キャッシュフローについて見てきま
 した。今回は、残る財務キャッシュフローについて説明します。

  <1>営業キャッシュフロー・・日常の営業活動による資金の増減
  <2>投資キャッシュフロー・・投資活動(設備投資)による資金の増減
  <3>財務キャッシュフロー・・財務活動(資金調達)による資金の増減
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  合計: キャッシュフロー・・企業活動全体の資金の増減

  フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー
              ・・・その企業が自ら稼ぎ出した儲け

 ――●財務キャッシュフロー

  財務キャッシュフローは、企業の財務活動によるキャッシュフローを指し
 ます。具体的には、借入の実行や返済、社債の発行や増資などによる収支の
 ことです。個人の例では、(住宅取得のための)銀行ローンがその典型で
 す(借り入れた年はプラスで、以後、返済によりマイナスが続きます)。

  この財務キャッシュフローは、フリーキャッシュフローを補完する存在で
 す。企業における第一義的なキャッシュフローは、自ら稼ぎ出した儲けであ
 るフリーキャッシュフローであり、財務キャッシュフローはいわばその帳尻
 を合わせるための存在なのです。

  たとえば、フリーキャッシュフロー(儲け)で自ら資金手当てできている
 のに、わざわざ借入を行なったり、増資を行なったりする企業などないで
 しょう。

  フリーキャッシュフローだけでは(自らの稼ぎだけでは)資金が不足する
 からこそ、借入や増資を行なうわけです。裏を返せば、資金不足では事業を
 継続できないので、何らかの方法で資金手当てせざるを得ない。それが、財
 務活動による資金調達なのです。


  翻って、フリーキャッシュフローがプラスの状態を考えてみると、それは
 すなわち企業が「儲かっている」状況を意味するわけですから、資金の提供
 者たる株主や債権者は、投資資金の回収(儲けの分配)を要求することで
 しょう。

  そこで、フリーキャッシュフローを原資として株主へ利益還元を行なった
 り、借入の返済をするのです。

 (正確に言えば、借入については儲けが出ようが出まいが約定どおりの返済
 を求められることになります。このとき、フリーキャッシュフローで不足す
 る場合には新たな資金調達によりとりあえずその場をしのぐことになりま
 す。

  しかし、この新たな借入もいずれは返済せざるを得ず、結局は自ら稼ぎ出
 したフリーキャッシュフローで返済しないことには借入はクリアになりませ
 ん。)

 
  さて、ベンチャー企業の場合、通常フリーキャッシュフローはマイナスに
 なります。

  営業キャッシュフローが黒字になるほどの十分な売上は簡単には上がらな
 いでしょうし、仮に成長路線に乗っても在庫を積み増したりして運転資本が
 膨らみます。また、設備投資をしなければ事業の立ち上げ・拡大はままなら
 ず、投資キャッシュフローも間違いなく大きな赤字になるでしょう。

  したがってベンチャー企業は、フリーキャッシュフローのマイナスを資金
 調達(財務キャッシュフロー)によって補ない続けなければなりません。事
 業を興す際には、資金不足がどの程度(期間・金額)になるのかを予測し、
 それを手当てできるかどうか慎重に見極める必要があります。

              ┌────────┐
              │        │
              │   財務   │
              │キャッシュフロー│
              │    70    │
              │        │
              │        │      
  (+)         │        │ 
  ─―─┬――――――――┼――――――――┴―――
  (−)|   営業   |    ↓
     |キャッシュフロー|
     |   ▲30   |⇒フリーキャッシュフローのマイナス70を
     ├────────┤ 財務キャッシュフローのプラス70で帳尻
     |   投資   | 合わせしなければならない
     |キャッシュフロー|
     |   ▲40   |
     └────────┘

▼次号に続く

***

-*--*- From Editor -*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*-
 ■キャッシュフロー補論

  今回のシリーズは、おそらく「難しい」と感じている読者の方も多いので
 はないでしょうか。実は話の順番としてはこのシリーズは年明けに掲載する
 予定だったのですが、少し馴染みにくいテーマが続いてしまうので、敢えて
 順番をずらした経緯があります。

 (昨年のことなので忘れてしまっているかも知れませんが、運転資本やバラ
 ンスシートの説明で何度か資金との関係を説明したのは、キャッシュフロー
 の解説のための前振りのつもりだったのです。)

  それはさておき、キャッシュフローは財務管理の中で基盤というか中核を
 占めるものです。なぜなら、このシリーズの最初でも触れたとおりキャッ
 シュこそ実体であり、現実だからです。

  キャッシュフローの構成要素については次回復習する予定ですが、たとえ
 ば利益や運転資本(の増減額)はキャッシュフローの構成要素の1つに過ぎ
 ません(ピンと来ない方は、営業キャッシュフローの計算式を復習してみて
 下さい)。

  すなわち、(会計上の)利益はキャッシュフローの下位概念であり、反対
 の言い方をすればキャッシュフローは財務管理上極めて包括的な概念なので
 す。

  もう少しくどく説明させていただくと、すべてはキャッシュフロー管理と
 いう体系の中に位置付けられます。ですから、たとえば運転資本管理はそれ
 単独で考えるのではなく、キャッシュフロー管理との関係において理解すべ
 きものなのです。


  財務管理の体系的な理解を得るには、キャッシュフローをその中心軸に据
 え、個別項目をその体系の中に位置付けながら理解していくことが必要で 
 す。

 (ちなみに、債権管理とキャッシュフロー管理の関係を例に考えると次のよ
 うになります。)

     (上位概念)    ・・・>     (下位概念) 
       
   キャッシュフロー管理 > 運転資本管理 > 債権管理
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