事業運営や業績管理は、PDS(Plan-Do-See)もしくはPDCA(Plan-Do-Check-Action)の管理サイクルを回していくことだと言われます。計画を立て、それに基づき行動し、その結果を見て、必要に応じ次の行動計画にフィードバックしていく、というものです。
――●創業期の管理サイクルの特徴
さて、スタートアップ期の企業にあっては、この管理サイクルに2つの特徴を指摘できます。
1つは、「出来上がった」会社に比べると、管理サイクルが短いという点です。新規事業の場合、いくら事前に周到な調査を実施したとしても予期せぬ出来事が次々と発生していくものです。蓋を開けてみたら、状況はまったく見込み違い(いい意味でも悪い意味でも)に終わるケースの方が多いはずです。
その分、フィードバックも早める必要があります。計画や戦略を柔軟かつ迅速に変えていかなければいけません。ドッグイヤーではありませんが、創業期の会社では、通常の会社の1週間が1ヶ月に相当し、1ヶ月が四半期、四半期が1年に相当すると考えていいでしょう。
もう1つは、今述べたことにも関連するのですが、計画の意味合いが異なるということです。一般に、企業の業績管理は年次予算をベースにして、それを月次に展開して予実績の管理を行ない、必要に応じ半期での見直しを行なうというものでしょう。計画は予算として、統制の基準とされます。
しかし、創業期における計画は、「仮説」というべきものです。計画ほど蓋然性の高いものではありません。創業期の管理サイクルは、PDCAというより仮説-検証のプロセスです。いろいろ試してみながら、答えを模索するプロセスです。
ですから、計画は統制対象として頑なに扱うものではありません。月次で、場合によっては日次・週次で見直していくべきものなのです。