――●四半期
四半期は、トレンド分析に適した管理サイクルです。
月次の数字では、たとえば取引と資金の動きの間にズレがあったり、事務処理に遅れがあったりして、どうしても「ブレ」が生じます。そのため、業績を流れとして捉えるには、そうしたブレを平準化した四半期単位での比較が望ましいのです。
このほか四半期には、いくつかの課題が存在します。
まず、前述した粗利の管理など、集計に手間がかかる項目については、四半期ベースで分析するのが現実的です。
また、月次での事業計画の見直しが戦術レベルでの見直しだとすれば、四半期に必要なのは戦略の再構築を含めた、より大きな視点での「検証-仮説の再設定」作業です。
さらに、これは必ずしも四半期の業績管理時に行なうことではありませんが、四半期(3ヶ月)という意味合いで見たとき重要なのは資金繰りの読みです。
資金繰りは、常に最低3ヶ月先を見据えておくのが大原則です。なぜなら、資金調達には時間がかかるため、少なくとも3ヶ月程度の余裕が必要になるからです。現在、貸し渋りの影響で通常の企業でも簡単に資金調達できない状況になっていますが、実績のない創業段階の会社であれば、なおさら資金調達には時間を要します。
――●年次
スタートアップ期の会社にとっては、1年は「中期」の分類に入るでしょう。
1年という単位は、「公式な」事業期間でもあり、経営陣、社員を問わず、気分的にも大きな区切りになります。この管理サイクルで重要なのは、四半期よりもさらに大きな視点で経営を見つめ直すことです。ビジョンや事業ドメインの再定義も含めた、事業計画の練り直しです。
加えて言うと、このタイミングで大事なのは、気分の区切りを捉えた組織のベクトル合わせでしょう。今年度の重点目標などを発表し、惰性に陥りがちな組織の引き締めを図ることです。
このほか、年次での大きな課題は、PDCAのP(計画)です。年間の事業計画策定や、実績を踏まえた中期計画(3〜5年)のローリングを行います。
一般には第3四半期が終わった頃に、翌年度分の事業計画の作成作業に入ります(規模の小さいうちは、期末月になってからでも対応可能でしょう)。そして、期首には新たな計画をスタートさせ、管理サイクルを回していくわけです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それぞれの期間ごとに、持つべき視野の大きさや分析すべき項目の細かさは異なります。そうした違いを認識した上で、メリハリをつけた業績管理・事業運営をしていくことが大切です。