ハーバード・ビジネス誌の2000年3月号にリスク管理に関して、面白い論文が載っていました(「企業に潜む『リスク』を測る」)。企業のリスクを「成長性」「企業文化」「情報管理」の3分野に分類し、「リスク計算機」を使ってその会社のリスクを計算してみるというものです。
「リスク計算機」は簡単なチェックリスクで、ハーバード・ビジネススクールの管理者向けのコースで使われているものです。何はともあれ、あなたの会社のリスクを計算してみましょう。
では、以下の各項目(3つの分野は、それぞれさらに3つの項目に分かれるので合計9項目)について、「身に覚えがなければ」1点、「そのとおり」なら5点として、点数をつけてみて下さい(なお、点数をつける際には、それぞれの「例」を参考にどの程度該当するかを判断して下さい)。
A.「成長」にまつわるリスク
@業績達成へのプレッシャーが強い ・・1(身に覚えがない)⇔ 5(そのとおりだ)
例)▼無理押しとも取れるような強気の目標がトップダウンで決定され、ボトムアップの余
地
がまったく(あるいはほとんど)ない。
▼従業員のボーナスの大部分が業績に連動している
▼マネージャーたちが社内の「稼ぎ頭」をひいきする
▼資本市場から並々ならぬ期待を受けて、株価が高騰している
A事業拡大のスピードが速い
例)▼人材面や技術面のキャパシティを超える勢いで、事業を広げている
B担当者の経験が不足している
例)▼社歴が浅い従業員の比率が高い
▼顧客からサービスに対する苦情が増えている
▼従業員がお粗末な失敗を連発する
B.「企業文化」に根差すリスク
@果敢にリスクを取ることを奨励している
例)▼提供する商品やサービスのうち、創造性に富んでリスクを厭わないタイプの従業員が
考え出したものの比率が高い
▼従業員1人ひとりが西部劇のヒーローよろしく冒険を追い求め、”戦果”を手に入れた
ときだけ戻ってくればよいと考える社風である
▼新しい商品やサービスが失敗に終わる、取引が思うようにいかない、という事態が頻
繁に見られる
A上層部が悪い情報に耳を貸さない
例)▼良からぬ知らせがなかなか耳に入ってこない
▼イエスマンばかりを重用している
B社内競争が激しい
例)▼上層部は、生き馬の目を抜くような競争を仕掛けている
▼絶対評価ではなく、相対評価を採用している
▼「アップ・オア・アウト」(昇進か、さもなくば退社か)のルールがある
C.「情報管理」に伴うリスク
@取引が複雑で目まぐるしい
例)▼契約担当の専門家たちが使う、複雑かつ難解な専門用語が理解されていない
▼取引情報の複雑さ、量、スピードが増大している
A業績評価データに不備・不足がある
例)▼最後に業績評価データが手元に届いたのは1ヶ月以上前である
▼月次の業績データに不備や報告遅れがあっても、文句を言ったりはしない
B意思決定の分権化が進んでいる
例)▼事業部のマネージャーは全社戦略という広い視野を持っていない
▼横の組織や上の組織と情報共有する仕組みができていない
果たして何点だったでしょうか。判定結果は次ページで。