ケーススタディー: マクドナルド「平日半額バーガー」の皮算用

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――●セット販売による利益の増加

 前のページでは、商品価格を半額にしても大量販売によって増収が図れることを見てきました。しかし、1億円から10億円の増収可能性のために、あの藤田社長がリスクを賭してまで半額バーガーの恒常化という思い切った策を取るはずもありません。

 マクドナルドの真の胸算用は、集客増によるセット販売の増大にあると言えます。

販売価格 粗利 粗利率

従来価格

新価格

従来価格

新価格

従来価格 新価格
ハンバーガー単品

130円

65円

91円

26円

70%

40%

バリューセット

400円

350円

295円

245円

74%

70%

 上の表は、単品販売とセット販売に分けて新旧価格による利益率の変化をまとめたものです。ハンバーガー単品では半額キャンペーンの影響を受けて粗利率が70%から40%へと大きく落ち込んでいます。一方、セット販売では値下げ率が12.5%(50円÷400円)にとどまっているため、利益率は旧価格の74%に対して新価格でも70%と依然として高い水準を保っています。

 マクドナルドによると、現状、顧客の70〜80%はセットメニューを購入するといいます。半額キャンペーンを打ったところで、増えた顧客のすべてがハンバーガー単品を注文するとは考えられません。したがって、利益率の高いセットメニューの販売が増えることが期待され、それに伴なう利益の大幅増が期待できるのです。

 記事によると、マクドナルドの皮算用は次のようなモデル計算に基づいているようです。

――現状、セットメニュー(粗利295円)が1セット売れるとすれば、今回の値下げキャンペーンにより、セットメニューが2セット(粗利490円)と単品のハンバーガーが1個(粗利26円)売れるようになる――。

 このとき、現状では295円の粗利が、キャンペーンの結果516円(490円+26円)へと1.7倍もの増益になります(ちなみに、単品だけが3倍増になった場合には、91円あった粗利が26円x3=78円と逆に減益になってしまいます)。

 記事の表現をそのまま借りると、「極言すれば、半額バーガーは利益の出るセット商品の販売を伸ばすための『おとり』」なのです。スーパーの集客に使われる目玉商品と同じ位置付けだと言い換えることもできるでしょう。

(なお、ここまでの試算はかなり乱暴な計算に基づくものです。実際には、キャンペーンによる販売数量の増加にともなって人件費も増えることでしょう。また、その反面 、更なる大量仕入により仕入コストの引き下げも可能になります。そのほかにも、コストの変動項目はたくさんあるはずです。)

次ページに続く▽

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