(Q) 外部から資金提供を受けるときの注意点は?

(A) 経営権や税務上の問題に注意しながら、出資か融資かの判断をすることが必要。

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 親類や友人・知人など、外部から資金調達を図るには、融資と出資の二形態があります。どちらにするかは、両者の違いを踏まえた上で慎重に判断する必要があります。


――●出資と融資の違い

 両者の違いでキーになるのは財務上の問題と、経営権の問題です。

 まず、財務上の問題ですが、融資形態にした場合、期日どおりに利息の支払いや元本の返済をしなくてはいけません(ここをルーズにすると、後述するように税務上の問題になるおそれがある)。契約内容次第ですが、事業が軌道に乗り切らない段階での金利負担は、資金繰りをかなり圧迫します。また、元本についても最終的には必ず返済しなければいけません。

 この点、出資形態では融通がききます。利益が出ないうちは、配当をしなくても構いません。さらに出資金の返還義務もありません。

 逆に、経営権の点では、融資形態の方が有利といえます。出資してもらうということは、株主になってもらうことであり、資金提供者が株主として経営に口出しするのは当然の権利です。

 融資の場合も、大口であればそれなりに干渉はされるでしょうが、融資は返済すれば関係を断ち切れます。一方、出資の場合、関係がこじれたからと言って株を買い戻すのも容易ではありません。いくらで買い戻すかでさらにもめ、結局、出資金額の数倍で買い取らざるを得ないケースも出てきます。


――●経営権の確保

 一般論としては、資金提供は融資形態が望ましいと思われます。資金提供の申し出を受けたときは、個人もしくは会社に対する融資とした方がいいでしょう。多くの方は、自分で事業をしたいと考えて起業するわけでしょうから、経営権は最優先にすべきものと考えます。

 また、共同経営もしく外部株主がいる場合、事業が成功したときには必ずもめるものだと心得ておいた方が無難でしょう。融資の場合、「分け前」は契約で決まっていますが、株主への分配は株主との調整が必要です。目の前に財産がぶら下げられると、悲しいかな人間はそれまでの信頼関係をも崩壊させてしまうものです。

 オーナーの持ち株比率は下げることは容易ですが、引き上げるのは大変です(上述した買戻しなど)。少なくとも当初はできるだけ持ち株を大きくした方がいいでしょう。

 経営権の確保に必要な株数は3分の2です。会社の重要な決定事項は、特別決議といって株主総会で3分の2以上の賛成が必要とされます。外部資本を入れる場合でも、この水準だけは確保しておく必要があります。


――●親族から融資を受けるときの注意点

 最後に、親族などから融資を受けるときの注意点を補足しておきましょう。それは、税務上のトラブルの問題です。親族から個人的に融資を受けるときには、「ある時払いの催促なし」といったようなことが多く行なわれます。

 借りる側からすれば、融通がきいて大変好都合なのですが、この場合、税務当局からは融資ではなく贈与と判断され、高額の贈与税をかけられてしまうおそれがあります(たとえば、1000万円の贈与には261万円の贈与税がかかる)。

 こうしたトラブルを避けるためには、@金銭消費貸借契約書を作成して、返済期日や利率を明確にし、A金利の支払いや元本の償還を実際に行ない(証拠が残るように銀行口座を通して行なう)、B仮に元利の支払いができない場合には、別口で資金を借りて回すか、契約書を更新することが必要でしょう。


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