(Q) 表面金利・実効金利とは?

(A) 契約書上の金利を表面金利、拘束預金も勘案した実質的な金利水準を実効金利という。金利交渉の際には、実効金利の水準に注意が必要。

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――●借入金は全額自由に使えるわけではない

 昨今、貸し渋り・貸し剥がしなどで銀行は批判を浴びていますが、銀行の手口に対する批判は今に始まった話ではありません。そのひとつに拘束預金というのがあります。

 これは、銀行から借入をしたり、手形を割り引いたりしたときに、手にした資金のうち一定額を銀行に預け入れさせられるというものです。たとえば、1億円の借入をしても、そのうち2000万円は定期預金への預入を迫られ、預金証書は銀行預かりにされてしまうといったような例です。

 拘束預金のうち、借入の際に要求される預金を両建て(りょうだて)預金、手形割引の際に求められる預金を歩積み(ぶづみ)預金といったりします。

 拘束預金は、建前上、 旧大蔵省の通達で禁止されています(土壇場の交渉では、この通達を持ち出して預金を引き出します)。しかし、この慣行は厳然として存続しています。


――●実効金利の求め方

 借入をしても、一部は自由に使えないとなると、実質的な金利負担は表面金利(契約書上の金利)よりも重くなっています。金利交渉を行なうときには、この実質的な金利水準(実効金利)をしっかり把握しておくことが重要です。

 では、実効金利はどう求めればいいのでしょう。要は、実質的な金利負担を実質的な借入残高で割れば計算できます。具体的には以下の算式です。

        支払利息 − 預金利息
 実効金利 = ―――――――――――
         借入金 − 拘束預金

 たとえば、借入金1億円(年利5%)に対し、2000万円の拘束預金(定期預金:年利1%)を求められている状況では、

 実効金利=(5%x1億円−1%x2000万円)÷(1億円−2000万円)
     = 6%

と計算されます。現在は、「異常な」低金利なので、なかなかピンとこないかも知れませんが、実効金利も把握していないようでは、銀行にいいようにされるのがオチです。銀行交渉には、事前準備がかかせません。


――●表面金利か実効金利か

 さて、実効金利が同じだとしても、そのパターンには2つあります。ひとつは、表面金利が高く、その分拘束預金が少ないケース。もうひとつは、表面金利は低いが、拘束預金が多いケース。果たして、どちらがよいのでしょう。

 結論的には、表面金利の引き下げを優先すべきです。なぜなら、前述したように拘束預金は完全に強制できるものではないからです。その分、拘束預金額の調整はこちらのペースで行なうことが可能です(もちろん、完全に主導権を握れるわけではありませんが)。

 当然、銀行も表面金利での調整を望んできます。そこはまさに交渉です。「実効金利の調整は預金で行いましょう」と譲らぬ姿勢で臨むことが大切です。


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