対外的な取引を行なう場合には、決済条件がつきものです。決済条件は、業界慣行や相手方との力関係により、必ずしも思い通りにならないことも多くあります。しかし、決済条件は資金繰りの良否を決定付けるものであり、しかも一度設定するとその変更は困難です。
そこで、決済条件を決める際のポイントについて考えてみましょう。
――●入金は早く、支払は遅く
「入金は早く、支払は遅く」――。これが決済条件の大原則です。資金繰りをうまく回すには、売上代金の入金がまず先にあり、それを支払に回せるように決済条件を工夫します。たとえば、入金が「月末締め翌月末払い」であれば、支払の方は「月末締め翌々月10日払い」といったかんじです。
入金と支払は同じタイミングでもいけません。入金と支払が同日だと、あるべき入金がない場合、資金不足をきたして、その日の3時(銀行の取引終了時間)までに資金手当てを迫られるからです。仮に、支払が入金の5日後だとしても資金繰りに奔走することには変わりありませんが、半日と5日間の違いは決定的です。
(通常はこうしたトラブルを避けるために、余裕をもった資金繰りを組むわけですが、支払を遅くすれば余裕のための借入も圧縮できます)。
また、資金繰りを実際に経験した人なら分かるでしょうが、入金を当てにした資金繰りを組まざるを得ないときには、仮に入金が確実だと分かっていても、その前夜は何とも不安なものです。無用なストレスを抱えないためにも、支払前日には必ず資金が確保できている状態にしたいものです。
――●入金条件の設定
取引条件で問題になるのは手形です。手形取引はしないに越したことはありません。手形依存・銀行借入依存の経営が、日本企業の経営体質を脆弱なものにしているのです。できれば金利分のディスカウントをつけてでも、現金決済を目指した方が望ましいでしょう。
(手形のもうひとつの問題は、管理に手間がかかることです。得意先によっては、手形を先方までわざわざ受け取りに行かなければいけません。人手が少ない中で、半日も時間を取られてしまいます。)
――●支払条件の設定
支払条件は、比較的自社でコントロール可能です。しかし、原材料の仕入については業界の制約も大きいでしょうし、そもそも当初の取引は信用取引に応じてもらえないことも多いでしょう(前金や現金取引を求められます)。
また、下記のように、支払項目の中には支払日が決まっているものもあります。
・給料 : 一般に20日もしくは25日
・源泉徴収 : 徴収した翌月の10日までに納付
・社会保険料: 月末までに納付
このほか、家賃は月末に翌月分を前払いというのが一般的です(個別のケースによりますが)。
定時払いの支払は通常、月一回です。支払処理には手間がかかるためです。支払日は5日か、10日あたりが望ましいでしょう。まず、入金は月末が多いので、支払日はその後にします。次に中旬の場合、支払条件が長めになるので、取引先に了承してもらえるかどうかという問題があります。
また、経理業務の平準化を考えた場合、上旬に支払日を設定すれば、支払準備が下旬の作業になり、上旬は月次決算に集中できることになります。