(Q)  資金繰りに窮する会社の特徴は?

(A)  経営者に財務管理・リスク管理に対する認識が薄い会社

(解説)1/3 1 2 3 [⇒next] [HOME]

 景気の回復が見えない中、多くの企業が資金繰りに問題を抱えています。しかし、そうした企業を見てみると本業自体は利益が出ているのに資金繰りが逼迫しているところもあれば、本業不振ながらも資金繰りを保っているところもあります。それらを分けているのは財務管理の巧拙です。

 それでは、財務管理という観点から資金繰りに窮する会社の特徴を考えてみましょう。


−−@自社の財務状況を把握できていない

 「財務状況の把握」には3つの段階があります。資金繰り、財務会計、管理会計の3つです。資金繰りは文字通り資金ショートさせないためのおカネのやりくり。財務会計は日々の取引を記録し、決算書にまとめる業務。管理会計は部店別の損益管理や固定費・利益率の管理など経営管理のための会計業務です。

 「自社の財務状況を把握できていない」にもこれに呼応して3段階あります。

 まず、財務会計まではできているが、管理会計ができていない会社。「どんぶんり勘定」のため、どこに問題があるのか把握できず、経営悪化への対応が遅れることになります。

 次に、経理といえば資金繰りを組むだけで財務会計もままならない会社。どんぶり勘定ですら損益を把握できない。決算書や試算表がすぐに上がらないため、借入の申し込みなどへの対応が遅れたりします。

 さらには、資金繰りも十分にできていない会社もあります。資金繰り対応には時間がかかります。その意味で、資金繰りは最低でも3ヶ月先まで組んでおく必要があります。ところが、中には当月分の資金繰りしか組んでいない会社もあり、その結果、資金不足を予測できず、対策を 打たないまま当月になって慌てる事態に直面することになります。


 また、「財務状況」には上述した基本的なデータのほかに危機管理用のデータもあります。たとえば担保状況。何が担保に入っているかくらいは頭に入っているでしょうが、物件ごとの担保価値を把握し、銀行ごとの保全状況を定期的に把握している会社は 意外と少ないものです。

 銀行にとって債権の保全は生命線です。同じ会社に対して取引銀行によって貸し出しや返済をめぐり対応に差があることがありますが、これは保全状況の違いに起因するものです。保全ができていれば鷹揚に構えてくれるでしょうし、一方、保全ができていなければ追加の担保や保証人の徴求するなり、債権回収を進めるなりしてくることでしょう。

 このほか、担保価値のありそうな資産については時価の確認も肝要です。担保余力のある資産を把握しておくためです。

次ページに続く▼

△ トップページに戻る