(Q) 直接費・間接費とは?

(A) 直接費とは、その発生が事業や製品等に直接結び付けられる費用をいい、間接費とはコストの発生が事業や製品と直接結びつかない費用のことをいう。

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――●間接費の配賦

 前のページで、間接費は何らかの基準で配賦する(割り振る)必要があると述べました。しかし実際問題として、この配賦という手続き(計算)は大変厄介な代物です。

 まず、配賦基準を何にするか決めなければいけません。たとえば、工場建物の減価償却費であれば、製造ラインの占有面積比で按分するといったことが考えられるでしょう。では、工場管理部門の経費はどうやって割り振ればいいのでしょう。誰もが納得するような配賦基準はすぐには思い浮かばないはずです。

 また、ひとつひとつの間接費項目について配賦基準を検討していくのも気が遠くなる作業です。しかも上述したように、中には合理的な基準を見つけにくいものもたくさんある。

 間接費を「正確に」配賦しようと思ったらキリがありません。間違いなく、間接費のために更なる間接費を上積みする結果に終わることでしょう(大企業の一部では、活動基準原価計算(ABC)といって、より正確な間接費配賦を目的とした原価計算を導入していますが、立ち上げ段階の企業が導入するのは非現実的な話です)。

 そこで実務的には、製造ラインの作業時間などの基準で、間接費を「エイヤッ」でもって配賦計算します。


――●間接費の管理

 ところで、間接費をめぐる問題は配賦計算にとどまりません。かなり乱暴な言い方をすれば、配賦計算はただの内訳計算上の問題であり、全体の原価自体が変わるわけではありません。しかもベンチャー企業の場合は、内訳計算が不要な単一製品を製造していることも多いでしょうから、配賦計算の問題が深刻になる企業はかなり限定されることでしょう。

(更に言えば、そもそも原価計算を必要としない非製造業の方が格段に多いでしょう。)

 問題となるのは数字上の配賦計算ではなく、発生額の管理です。直接費の場合は製造活動との結びつきが明確なので、「効率」を計ることが可能です。たとえば製品1つ作るのにどのくらいの作業時間がかかり、どのくらいの材料を使ったかを把握することで生産効率の良否を判断することができます。

 そして、そうした生産効率の管理を通じて直接費の管理が可能なわけです。

 然るに、間接費の場合は製造活動との関連で効率を計るのが困難です。しかも間接費の大半は固定費なので、「製品1個あたり」という効率管理に馴染みません(「製品1個あたり」は、いかに工場の操業度を上げて単価を下げるかという問題になります)。

 結局、間接費の管理は、費目ごとに予算額の枠内に抑えることがその主眼となります。


――●ホワイトカラーの生産性向上

 さて、この項のはじめに直接費・間接費は相対的な概念だと述べました。最後に、間接費を広く捉えてその管理を考えてみましょう。

 同じ間接費でも製造原価としての間接費は、製造原価全体の管理を通じてその水準がモニターされています。たしかに直接費に比べれば管理に難があるとはいえ、それなりのコントロールはされています。

 この点、一般的な企業の場合に間接費の管理でいちばん問題になるのは、現業部門以外(ホワイトカラー部門)の間接コストです。

 「日本はブルーカラー(工場)の生産性は高いが、ホワイトカラーの生産性は欧米企業に劣る」――こんなことが随分と前から指摘されてきました。

 根回しや会議、社内書類の作成など、直接収益の獲得に結びつかない「間接時間」に多くの時間をとられ、本来の業務(たとえば顧客訪問)に費やしている時間は意外と少ない、というのが伝統的な日本のホワイトカラーの姿でした。

 生産現場での時間管理は厳格に行なわれますが、各自がバラバラに活動するホワイトカラーに対しては、有効な時間管理を実施するのは難しいものです。この結果、ホワイトカラーの時間管理に対する意識はなかなか高揚しませんでした。企業が成長して否応なく組織の「官僚化」が進むと、間接時間の割合がますます増えていきました。

 こうした間接時間の削減方法として、近年、ロータス・ノーツに代表されるグループウェア、もしくはイントラネットの利用が注目を浴びています。これは、社内的な連絡や意思決定の経路を電子化・ネットワーク化することで、それらにかかる時間を削減するものです。

 そして間接時間の削減で何より大切なのは、社員に直接時間・間接時間という感覚を持たせることです。果たして自分は今、収益に貢献する活動をしているかどうか自問自答する習慣をつけさせることです。こうした意識を少しでも向上させることができれば、ホワイトカラーの生産性も自ずと向上することでしょう。

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